歯周病
歯周病について
当院の歯周病治療の特徴
当院では歯周病治療は患者様と衛生士・ドクターの3本の柱で治療に取り組みます。歯科医院での専門器具を使用したケアや歯周病治療も重要ですが、患者様ご自身にも一緒に取り組んで頂かなければいけません。
いくら歯科医院でドクター・衛生士の治療を受けたとしても、患者様のお家でのケアや食生活・生活習慣を改善していこう!という気持ちがなければ歯周病の改善は望めないのです。
もちろんお家でのケアのやり方やご相談、お困りのことがございましたら衛生士やドクターに何でもご相談ください!衛生士とドクターでサポートし皆さまのお口の健康を守ります。
歯周病治療の診療方針
当院でのお約束にもありますように、皆さまの気持ちに寄り添った治療を心がけておりますので、当院では「傾聴」を大切にしております。特に歯周病治療は先程にも述べました通り、患者様と衛生士・ドクターの3本の柱で治療に取り組むことが重要になります。
そのため患者様のご意見やお悩み、ご要望などを聞いた上で一緒に問題を解決し医院側と患者様との二人三脚でちからを合わせて治療に取り組んで参りたいと思います。
歯周病症状の段階について
軽度歯周病
見た目 | 歯肉が赤くぷっくりと腫れてきます。歯と歯の間はピラミッド型の三角形にはなっておらず(健康的な歯肉)角が丸い様な三角形になってしまいます。 歯と歯茎の境目にはプラークがついています。 |
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痛み | この時点でも痛みほ特にありません。ブラッシング時に出血があります。ここまでは歯肉炎と変わりがありませんが、大きく違うのが歯を支える骨が「溶け出している」ことです。 |
日常生活の支障 | ブラッシング時に出血があります。 |
中等度歯周病
見た目 | 骨が半分ほど溶けてくるため、歯茎が下がってみえ歯が長くなった様に見えます。 また歯と歯の間の歯茎が下がり、歯根についている歯石が透けて見えるため歯茎が薄ら黒く見えます。 |
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痛み | ブラッシング時に出血や痛みを伴います。歯磨きの度に出血と痛みが出るので、不快に思いブラッシングが十分に行えず、さらに症状を悪化させてしまいます。 |
日常生活の支障 | 歯を支える骨が半分ほど溶けてしまっているため、歯がぐらつきます。そのため歯が浮いた様な違和感があり硬いものなど噛むことが難しくなります。 |
重度歯周病
見た目 | 歯茎は赤くブヨブヨと腫れ、出血や膿がでます。また歯を支える骨がなくなり、歯茎が下がり隙間が目立つようになります。 |
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痛み | 痛みは特にありません。中等度の時と同じ様にブラッシング時に出血と痛みがある程度です。 それよりも歯のぐらつきがひどくなるのが特徴です。重度の歯周病になるといる歯が抜け落ちてもおかしくない状態になります。 |
日常生活の支障 | 中等度に比べ、歯周ポケットはさらに深くなり、歯を支える骨が三分の二以上溶けてしまいます。 そのため歯はぐらつき食事が上手く噛めません。口の中はネバネバし、血の味がする場合もあります。また口臭も強くなります。 |
歯周病・歯肉炎について
歯周病
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患のことです。簡単に言うと、歯周病の原因となる細菌によって歯茎に炎症を引きおこし、歯を支える骨を溶かしてしまう恐ろしい病気です。
国民の3人に1人は歯周病になっていると言われているほど歯周病は皆さんの身近に迫る病気となっています。しかしながら歯周病にも段階があり重度の歯周病の方は全体の7%ほどだそうです。軽度の歯周病・中等度・重度全ての段階を含むと国民の3人に1人は歯周病ということになります。
つまり誰もが歯周病にすでにかかっていてもおかしくない状況です(段階は人それぞれですが)自分が歯周病ではないか、心配であれば一度 歯科を受診し検査を受けることをお勧めします。歯周病に早い段階で気づくことができれば、歯を健康に長持ちさせることに繋がります。
症状
歯周病の初期段階ではなかなか自分自身 症状を自覚することはできません。但し歯周病が進行すると以下の様な症状がでてきます。
- 朝起きたときに口の中がネバネバする
- 歯磨きのときに出血がある
- 硬いものが噛みにくい
- 歯茎が腫れる時がたまにある
- 歯茎が下がって、歯と歯の間に隙間ができてきた
- 歯がグラグラする
また歯周病はSilent disease(沈黙の病気)とよばれ、痛みなどの症状が少ないことも大きな特徴です。この様に静かに病気が進行していくので痛みや症状を伴う重度の歯周病になるまで気がつきません。気がついた時には歯を支える骨がほとんどなく、歯が勝手に抜けてしまうなど手遅れになってしまうことが多いです。
歯周炎
お口の中のブラッシング不足により、不潔な状態のまま時間が経過すると歯の表面に細菌が付着し、それが原因で歯茎が赤く腫れ炎症引き起こします。さらにひどくなってくると歯茎からブラッシング時に出血するようになります。
歯肉炎と歯周病は名前は似ていますが、違います。歯肉炎は歯周病の本当に初期の段階です。また歯周病は歯を支える骨が溶けてくるのに対し、歯肉炎では歯を支える骨は溶けてはいません。歯肉炎の段階でしっかりとお口のケアが出来ていれば、歯茎は健康な状態に戻ります。
症状
歯茎が腫れて炎症しています。健康な歯茎のピンク色とは違い、赤く腫れてしまい歯茎の形も綺麗な三角形ではありません。また歯磨きを行った時に歯茎から出血があります。
歯周病になる原因とは
歯周病の原因の一番多いものが歯垢(プラーク)です。そしてよく耳にする歯石はこの歯垢が硬く、石のようになったものの事を言います。
お口の中は400〜700種類の細菌が住んでいます。細菌と聞くと悪さをしそうなイメージですが、普段は大人しくしています。しかしながら歯磨きを充分にできていなかったり、砂糖を過剰に摂取したりすると普段は悪さをしない細菌がネバネバとした物質を作り出し、歯の表面に付着します。この物質が歯垢(プラーク)です。
プラークの中には虫歯菌や歯周病菌が沢山含まれており、特に歯周病菌の方が多く含まれていると言われています。また歯垢をそのまま放置しておくと硬い歯石となってしまい、お家のケアでは取り除く事ができません。歯石の中やその周囲に細菌が付着、侵入し歯周病を進行させます。
それ以外にも、もともと生まれ持った体質で歯周病を引き起こす事や、噛み合わせが悪くて歯周病になる人、生活習慣など原因は様々考えられます。また どれか一つが原因でというわけではなく、様々な原因が重なり歯周病を引き起こしている場合があります。
知覚過敏の原因が歯周病の可能性も
知覚過敏の原因となる一つに歯周病があります。歯周病は歯周病細菌により歯周組織の破壊が起こります。歯茎が下がる症状も歯周組織破壊に含まれます。
歯周病治療では原因となる歯垢(プラーク)や歯石を取り除くことで、歯周病の進行を防ぎ、健康な歯茎を目指します。しかし歯石を取ることで、歯石によって隠れていた象牙質の部分が表面に現れ、しみる症状が強くなることがあります。そのため歯石除去の際にはその点に十分配慮し、併せて薬剤の塗布も行いながら治療を進めていきます。お家では知覚過敏向けの歯磨き粉を使用していただくとより効果的です。
歯周病になりやすい人とは
先程にも書いたように、プラーク(歯垢)が歯周病の原因となるため、ブラッシングが不十分な人はもちろんですが それ以外にもいくつかあります。
歯磨きが十分に出来ていない人
歯磨きが十分に出来ていないと、歯の表面にプラークと言われるネバネバした物質が付着します。これはやがて歯石となり歯ブラシでは取り除くことができなくなり、歯科で専門の器具を使用して除去してもらう必要があります。
この歯石を放置してしまうと歯周病をどんどん悪化させてしまうことになります。そうならないためにも、プラークの時点で取り切れるようにお家でのケアを頑張りましょう!
喫煙の習慣がある人
煙草にはニコチンと呼ばれる有害物質が含まれていおり、そのニコチンによって歯茎の抵抗力が弱まり、歯周病菌に抵抗する事ができなくなります。またニコチンには血管を収縮させる効果があり、歯茎の血行が悪くなります。歯茎の血行が悪くなってしまうと、歯茎に酸素や血液・栄養が十分に行き渡らなくなり、それも歯周病の原因の一つです。
その他にも煙草に含まれる有害物質が歯の表面に付着すことにより、歯垢がそこにつきやすくもなります。喫煙はそもそも免疫機能を下げたり、傷を治す機能の低下を招くため 歯周病のリスクを高めてしまいます。それ以外の様々な病気の進行速度も速くなるので喫煙の習慣を改善できるのであれば改善した方がお口のためにも体全体のためにも良いでしょう。
ストレスがある人
ストレスを抱えていると、まず免疫力が低下します。さらに唾液の分泌も少なくなるため歯周病のリスクが高まります。なぜ唾液が大切かと言うと、唾液にはお口の中を洗い流す自浄作用があり、おくちの中が乾燥状態であるとその自浄作用が働かないからです。
ストレスを抱えている人に多いことが食いしばりです。一見 歯周病に関係のない事だと思うかもしれませんがそうでもありません。歯を食いしばる事で歯を支える周りの歯周組織にダメージが与えられ組織が弱まります。すると歯周病を悪化させることに繋がります。
糖尿病の人
糖尿病と言う病気は免疫力を下げてしまうことでよく知られています。免疫力が低下すると、歯周病菌に対して抵抗する力がなくなり歯周病を悪化させます。その他にも糖尿病の方はお口の唾液の量が減少する傾向があるので、お口の中が乾燥し そのことも歯周病を進行させる原因になります。
また歯周病と糖尿病は深く関係しているとも言われています。歯周病があることで血糖値を上昇させてしまったり、反対に歯周病治療を行うことで血糖値を下げる事が出来たりとこの2つは密接に関係していることが最近 判明しました。
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歯槽膿漏、歯周病が口臭の原因に
なっている場合歯槽膿漏や歯周病が原因で口臭が発生する場合があります。
口臭治療について
口臭が気になるうえに歯周病の症状(歯茎からの出血、歯がぐらつく、歯茎が下がってきたなど)も気になるようであれば、一度歯科医院を受診しましょう。
歯周病と全身疾患について
歯周病と心臓血管疾患
慢性的な歯周病により、歯周病菌が血管内に入り込み、その血液が心臓に送られてしまいます。
そこで歯周病菌が心臓の弁や内膜にとりついて感染をおこし、心内膜炎を引き起こす可能性があります。
また、歯周病菌が心臓の血管に入り込み血栓を形成すると、血管が狭くなったり、血管内皮に傷が入ることにより動脈硬化をおこし、狭心症や心筋梗塞の発症リスクを高めると言われています。
歯周病と糖尿病
歯周病が原因で歯周病菌由来の毒素や炎症性反応物質が血管を通し、からだ全身へ送られます。そこで、歯周病菌がすい臓で作られるインスリン※という物質の働きを弱めると言われており、またさらに糖尿病が悪化することて、糖尿病の合併症(網膜症、腎臓病、神経障害など)の発症リスクも高まります。
※インスリン…(血中の糖濃度を下げるホルモン)
最近では、特に歯周病と糖尿病は密接に関わっていることが分かってきています。そして糖尿病の患者が歯周病治療を行い、糖尿病の改善に繋がるといったケースもあります。
歯周病と低体重児出産・妊婦の歯肉炎
慢性的な歯周病により、歯周病菌や炎症性反応物質が血管を通し、子宮筋に作用して子宮の収縮を早めることで早産や低体重児出産のリスクが高まると言われています。
さらに妊娠中は女性ホルモンの関係で歯肉炎になりやすいと言われています。つわりなどで口腔内に歯ブラシを入れるだけでも辛いといった妊婦の方も多く、その結果お口の衛生状態が悪くなりやすく、特に注意が必要です。
歯周病と誤嚥性肺炎
高齢になると上手く食べ物を飲み込む事が困難になり、むせることが増えます。そのむせた際に食べ物や異物が誤って気管や肺に入ってしまうことで起こる肺炎のことを誤嚥性肺炎と言います。誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要になります。
歯周病のセルフチェック
- 朝起きたときに口の中がネバネバする
- 歯茎の色が赤いもしくは黒ずんでいる
- 歯茎が時々腫れる(疲れているときなど)
- 歯と歯の間の歯茎がピラミッド型ではなく丸く腫れぼったい
- 人から口臭を指摘された
- 歯が長く伸びてきたように見える
- 歯と歯の間に隙間ができてきた
- 歯磨きをしている時に歯茎から出血がある
- 歯がグラグラしている
- 歯茎を押すと白い膿の様なものが出てくる
いくつか当てはまる・また少しでも心配なのであれば一度歯科で診てもらうことおおすすめします!
歯周病治療の流れ
歯周ポケットの検査・レントゲン撮影、審査・歯石を除去(歯茎より上)
軽度の歯周病の場合
お家でのケアの方法・ポイントなどをご説明 次回は定期検診となります。
中等度の歯周病の場合
次回から歯茎の下の歯石除去をスタートSRP(部位ごとに分けて行うため何度か通院が必要となります、また歯茎の下を触るため麻酔も行います)。SRPを行い再度 歯周ポケットの検査を行います 改善していればその後定期検診となります。
重度の歯周病の場合
歯周病治療では症状は改善しない場合が多いです。そのため抜歯になるかもしくは外科処置を行うかなどドクターの審査、カウンセリングがメインになります。治療方針を決定後 次回からその治療がスタートとなります。一通りの治療が終了するとその後は他と同じく定期検診に来ていただきます。
歯周病は症状が改善され、治ったと錯覚しがちですが、完全に治るというわけではありません。そのため定期的な検診やお家でのケアが非常に大切です!
精密歯周病検査について
検査の流れ
- 歯周ポケットの深さを検査(プロービング)
- プロービングした時の歯茎からの出血
- 歯の動揺度
- プラークの付着度
精密歯周検査とは、基本検査とは違い歯周ポケットの測定を4点以上で行ないます。基本検査では1点以上の歯周ポケットの検査になるので、精密検査の方が測定するポイントが多くなるのでより詳しく分かります。
歯周病の予防について
歯科医院でできること
歯周病の予防で歯科医院においてできることは、定期検診と専門的な器具を用いたお掃除です。歯周病は先にも書いた通り、症状があまりでずに進行していく恐ろしい病気です。
歯周病を予防するにはお家での歯磨きはもちろん生活習慣を見直すことも大切ですが、まずは歯医者に行って検診を受けてみてください。日々のケアでは取り除くことができない歯石は、歯医者で専門の器具を使用しないと除去することができません。歯石を放っておくと歯周病がどんどん進行してしまいます。またさらに、定期的に歯医者へ検診に通うことをルーティーン化することで、日々のお家でのお口に対する意識を向上させることにも繋がります。
予防歯科について自宅でできること
お家ではセルフケアを意識してみて下さい。歯磨きのやり方などは衛生士に一度相談して頂けると、患者さまに合った歯ブラシや歯磨きのやり方をご提案いたします。歯ブラシだけではプラークは殆ど取り除くことが出来ていないので、糸ようじ(フロス)であったり歯間ブラシなどをプラスアルファで使用するとより良いです。
そしてお口の中に何かしらの違和感やお悩みがある場合は一度歯医者に相談してみて下さい。少しの変化に気づけたことで、歯周病の進行を軽傷で止めることができるかもしれません。歯医者へ定期検診に行ったあと、次の検診までは患者さまご自身にセルフケアを頑張って頂くしかありません。歯科医院側と患者さまとの2人3脚で歯茎の健康を守っていきましょう!
歯周病の治療法
スケーリングとは
スケーリングとは歯科で専門の器具を用いて、歯面についたプラークや歯石を除去する事を言います。歯垢(プラーク)はお家の歯磨きで取り除くこともできますが、歯石は硬く石のようになっているので歯磨きだけでは取れません。※歯石は歯垢(プラーク)が石灰化したもののことです。
スケーリングの必要性
歯石は定期的に歯科医院で除去してもらうことが大切です。プラークが石灰化した歯石は時間が経過すればするほど、硬くなってしまうので定期的に歯科医院で専門器具を使って除去してもらうことをおすすめします。歯石は特に下顎の前歯の裏や上の奥歯の頬側につきやすいと言われています
治療で期待できる効果
スケーリングで期待できる効果は
歯周病の予防
歯石が歯の表面に付着していると、プラークや歯石がより付着しやすくなります。スケーリングを行い歯の表面から歯石を除去すると表面が滑らかになり、そうすることで歯石の再付着を予防する事ができます。
口臭の予防
歯垢や歯石がお口の中にあると口臭の原因になります。口臭の原因にもなる歯石や歯垢を歯科で取ってもらうことで、口臭予防に繋がります。
治療の特徴と流れ
ドクター・衛生士によってお口の中をチェックします。スケーリングが必要であれば専門器具を使用してスケーリングを行います。
歯茎より上についている歯石には麻酔は使用せずに歯石を除去します。歯茎より下についている歯石は除去する際に痛みを伴うため麻酔をしてから行います(※ちなみに歯茎より下の歯石を超音波スケーラーで除去することをルートプレーニングと言います)。またルートプレーニングを行う場合は細かく慎重に歯石を除去する必要があるので、部位を何ブロックかに分けて行うことがあります。
スケーリングには超音波スケーラーという機械を用いて歯石を超音波の力で取る方法と手用スケーラーといって衛生士がスケーラーと呼ばれる器具を使用して手をつかって歯石を除去する方法があります。
効率良く歯石を取るには超音波スケーラーを使用し、細かい部分や歯が重なりあっていて歯石が取りにくい部分などは手用スケーラーを使用するなど状況や患者さまの口腔内の状況によって使いわけています。
歯周病でよくあるご質問
Q.歯ブラシの時に出血したり、しなかったりするのですが、どうしてですか
A.歯みがきをした際に出血する原因は歯茎の炎症によるものがほとんどです。
炎症を起こしている歯茎は中が充血しているような状態で、歯磨きなどによる機械的刺激に弱く、少しのブラッシングの力がかかるだけで出血してしまいます。
普通は歯磨きをしただけでは健康な歯茎から出血することはまずありません。
もしも出血があるようであれば、歯肉炎や歯周病の疑いがありますので、心配な場合は歯科医院で検査をしてもらいましょう。
炎症が見られ、歯磨きの際に出血するからといって、歯ブラシを当てるのを控えることは逆効果です。ブラッシングでその箇所を避けることにより、プラークが溜まり、より炎症を悪化させてしまうことになります。
まずは出血をしていたとしても、柔らかめの歯ブラシを使用し2週間ほど丁寧にブラッシングを続けましょう。そうすることで炎症も治り歯茎が引き締まることによって出血がおさまってきます。
Q.歯周病は何歳くらいから
気をつければよいのでしょうか
A.歯周病と聞くと高齢の方に起こりやすいイメージを持たれているかと思います。
しかし近年では歯周病の低年齢化が目立ち、最近のデータによると歯周病自体の数は減少傾向にあるのに対し、15-24歳の若い世代では反対に増加傾向にあります。
そのため結論からいうと何歳から気をつけるのではなく、若いうちから決して油断しない意識づくりが大切です。
歯周病は「silent Disease」(静かなる病気)とも言われるほど、無自覚のまま進行する恐ろしい病気です。無自覚のまま歯周病が進行してしまわないためにも歯周病の前段階である歯肉炎の症状をしっかりと把握し、思い当たる点があるようであれば早めに歯科医院を受診してください。
- ブラッシング時に歯茎から出血がある
- 歯茎が赤く腫れている
- 口臭がある
- お口の中が乾燥し、プラークがつきやすい
などが歯肉炎での症状です。
歯周病が進行すると次のような症状が現れます。
- 歯が動く/グラグラする
- 歯茎が下がり、歯が長くなった気がする
- 口臭を周りから指摘される
- 歯が浮いたような感じがする
- 歯と歯の間にものが詰まりやすくなった
このような症状が現れている場合は、歯周病が進行している可能性が高いです。
重症にならないうちに歯科医院で検査を受け、治療を受けましょう。
Q.歯周病のかかりやすさに
男女の差はありますか
A.どちらが歯周病にかかりやすいかと聞かれると、答えは「女性」です。
歯周病を引き起こす歯周病細菌には女性ホルモンを好む細菌がおり、女性ホルモンは歯周病に大きく関わっているとされています。思春期になると月経などの女性ホルモンの変化が影響し、プラークなどの刺激物に対して過剰に反応し、歯茎が腫れたりすることもあります。
また妊娠中は女性ホルモンの分泌が増えるため、妊娠性歯周炎になりやすいです。
妊娠中は先ほどにも書いたとおり、ホルモンバランスの乱れ、つわりなどによる食生活の乱れ、つわりによるブラッシング不足が原因で歯周病のリスクが高くなるとされています。
つわりなどでブラッシングがなかなか出来ないかと思いますので、体調が良い時にしっかり歯磨きをする、洗口剤を使用するなど工夫をしてみましょう。
Q.歯周病は
必ずかかる病気なのでしょうか
A.歯周病は必ず誰しもがかかる病気ではありません。
しかし日々の歯磨きや歯科医院での定期的なメンテナンスを怠り、歯周病の原因となるプラークや歯石が除去できていないと発症する可能性が高くなります。
そのため歯周病にならないためにも基本的には日々のブラッシングを1日3回、歯ブラシ以外にもフロスや歯間ブラシなどを用いて丁寧に行い、歯科医院の定期的なメンテナンスで歯石を除去してもらうことが大切です。
しかしながら遺伝性の病気による歯周病など予防が困難なパターンの歯周病も特殊なケースとしてあります。
そういった場合も歯科医院で適切なケアと処置を行うことで、症状を悪化させずに済むのでやはり定期的に歯科医院に足を運ぶようにしましょう。
Q.口臭を感じたら、歯周病を疑っても
いいのでしょうか
A.口臭の原因/種類は様々です。歯周病が原因の場合もありますが、口臭があるからといって歯周病が原因であるとは言い切れません。
口臭の原因/種類となるものは以下の通りです。
- 生理的口臭(誰にでもある口臭。起床直後や緊張時などに起こる)
- 飲食物/嗜好品による口臭(ニンニクやタバコ、お酒など)
- 病的口臭(歯周病、歯垢、虫歯、舌苔、鼻や喉、呼吸器系の病気が原因の場合もあります)
- ストレスによる口臭(ストレスによるお口の中の乾燥)
- 心理的口臭(自分自身で口臭があると思い込む)
口臭の原因となる病気は主にお口の中のことが90%を占めていると言われています。
虫歯や唾液の減少、口腔がん、不良な被せ物や被せた金属の腐食など…
その中の一つに歯周病が原因として挙げられます。
そのため口臭があるからといって、必ずしもそれが歯周病が原因と判断することはできませんが、もし周りに口臭を指摘されたり、自分自身 気になるようであれば歯科医院の受診をお勧めいたします。
Q.歯周病がうつるというのは
本当ですか
A.歯周病の原因はプラーク(歯垢)のなかに潜む歯周病細菌がの感染により引き起こされます。
つまり歯周病の細菌がうつることもあれば、人にうつしてしまうこともあります。
良くある感染の経路はパートナー間の感染や周囲の大人から赤ちゃんへの感染が起こりやすいとされています。
その中でも特に多いとされているのは赤ちゃんへの感染です。
赤ちゃんは、はじめ歯周病の原因となる歯周病細菌はお口の中にいない状態で生まれてきます。しかし乳児期に入り、母親や周囲の大人たちによって食べ物を同じ食器(スプーン)で与える、スキンシップ(キス)などにより感染してしまいます。歯周病の原因菌は唾液を介して感染するため、同じ食器をしないように工夫したり、キスなどのスキンシップを控えることにより予防することができます。
しかし歯周病菌がお口の中にあるからといって必ずしも歯周病になるわけではありません。
歯周病の原因となるプラークや歯石の除去が行えており、定期的に歯科医院で定期的にメンテナンスを受けていれば歯周病予防になるでしょう。
Q.親が歯周病です。
歯周病は遺伝しますか
A.歯周病自体が遺伝することはありませんが、歯周病に対する抵抗力は遺伝することがわかっています。その他にも歯垢、歯石のつきやすさ、歯並び、唾液の質なども遺伝すると考えられています。
ただし、身近な人が歯周病の場合 歯周病の原因菌となる細菌は唾液を介して感染しますので家族間の細菌感染も考えられ、注意が必要です。また数が多いとは言えませんが早期発現型歯周炎や特殊性歯周炎と言った遺伝が関わっている歯周病もあることはあります。
このような特殊な遺伝性の歯周病以外は歯周病そのものが親から遺伝するとは言えません。
親が歯周病であるから自分も必ず歯周病になるというわけではございませんので、歯周病にならないためにも原因となるプラークや歯石は放置せず、歯科医院で定期的なクリーニングで除去しておきましょう。もちろんご自身での日々のケアもとても重要ですので、丁寧にポイントを押さえて歯磨きしてください。
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