予防歯科
予防歯科について
予防歯科とは
「予防歯科」とは虫歯や歯に異常がでてから歯医者を受診し 治療するのではなく、そうなる前から予防を行うことです。(歯科の定期検診)
どうしても皆さん歯医者さんに通う時は歯が痛くなってから…と思われている方が多いのではないでしょうか。しかし最近では予防歯科に力を入れている歯科も増え、患者さまのお口の中に対する意識も上がってきているように思います。
予防歯科のメリット
予防歯科のメリットは定期的にかかりつけの歯医者さんでお口の中をチェックしてもらうことにより、虫歯の進行が浅いうちに治療ができ、歯を削る量や治療の回数、負担などを減らすことが可能になります。当院では皆さまが検診に通っていただきやすく、またお口の中のお悩みを相談しやすいように歯科衛生士の担当制を行なっております。
もし自分の歯が抜けてしまい、高額な料金を払ってインプラントをいれたとしてもやはり自分の天然歯には敵いません。皆さん当たり前に思っているご自身の歯も、失った時にどれだけ大切だったかと気づくはずです。失ってから気づくのではなく、そうなる前にきちんと歯科の定期検診にかかって、お口のプロ達にチェックしてもらうことが非常に重要です。
定期検診
当院では4ヶ月検診もしくは6ヶ月検診を患者さまに推奨しております。検診の内容はレントゲン写真を撮影・虫歯のチェック・歯ぐきの検査(歯周病の検査)・クリーニング(歯垢・歯石を除去)・ホームケアのアドバイス・必要であればブラッシング指導などを行います。検診の中で虫歯が見つかれば、早い段階で虫歯の治療に取りかかることができ治療回数や負担を減らすことができます。
クリーニングについて
クリーニングとは
歯科で行うクリーニングは特別な機械を使用して行うお掃除です。普段ブラッシングをお家で頑張ってくださっている方でも、歯石はどうしても付いてしまいます。歯垢から歯石となってしまったものをご自身で取り除くことは難しいため、それは歯科衛士 ・クリーニングのプロたちにおまかせ下さい。
クリーニングで通う頻度
検診に来ていただく4ヶ月・6ヶ月のタイミングで通って頂けたらと思います。但し、歯石がつきやすい方や自費でのケアを希望される方は患者さまそれぞれのペースに合わせて来て頂く場合もございます。
クリーニングの流れ
ブラッシング状態などをチェック→プラーク除去→歯石を除去→歯の表面を磨きあげる→ホームケアのアドバイス(必要であればブラッシング指導)
歯垢・歯石について
歯垢(しこう)とは
歯垢と聞くと食べかすと思っている方も多いかも知れませんが、実は全くの別物です。歯の表面を指で触った時にネバネバしたものが付くことがありますが、このネバネバが歯垢のことで、別名「プラーク」とも呼ばれています。歯垢1mgには1億個以上の細菌が存在していると言われており、食後およそ4~8時間ほどでこの歯垢が作られてしまうため、毎食後の歯みがきが非常に大切です。
奥歯・歯の間・歯ぐきとの境目などに歯垢は付着しやすいので、しっかりとブラッシングで残さず汚れを落としましょう。
歯石とは
歯垢が石灰化(硬く・石のようになった物)したもので、歯みがきでみがき残した歯垢はおよそ2〜3日間ほどで歯石へと変わってしまうと言われています。そのため歯ブラシが当たりにくい、歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間にできやすく、歯石はその名前の通り石のように硬いため、一旦歯に付いてしまうとお家でのブラッシングでは取り除くことは出来ません。
※歯科医院で専門の機械でのクリーニングが必要です。また歯石の表面はデコボコしているため、そこにさらに歯垢が付いて歯周病や口臭、虫歯のリスクを高めます。
よくある質問
Q.歯ぐきの検査や歯石をとるときに
チクチクと痛いのですが、
どうしてでしょうか?
A.歯茎の検査や歯石を取る時に痛みが生じる理由は、その部分が炎症を起こしているからです。
歯茎の検査では歯と歯肉との間(歯肉溝)に器具を挿入します。その器具が触れる部分に炎症があると、敏感になっているため違和感やチクチクとしたお痛みを感じやすいです。また歯石を取る際にも同じことが言えます。そもそも歯石が付着している歯は歯肉が腫れ、出血が出やすい状態です。炎症がでている歯肉に対して歯石を取るという作業を行うため、出血や痛みを伴うことが多いです。
どうしてもお痛みが強い場合は我慢せずに歯科医師や衛生士にお伝えください。場合によっては麻酔をして歯石を取ることもあります。
Q.歯石はどれくらいおきに
取りに行ったらいいのでしょうか?
A.歯石取りの頻度は、3~6ヶ月に1回程度が理想的です。
かなり期間に幅を感じられるかと思いますが、これは患者さまそれぞれの口腔内の状況によって期間を設定します。というのも歯石がつきやすい方やブラッシングが難しい部分がある方などについては、歯石の付着が早い段階で考えられますので3ヶ月に1回をお勧めします。
反対にブラッシング状態も良好で歯石の付着も多くない方の場合には6ヶ月に1回のペースでケアが理想的です。3~6ヶ月というと定期検診と同じ頻度になりますので、イメージとしては定期検診の際に一緒に歯石取りを行います。歯石の付着量ははお家でのセルフケアも関係します。定期検診までの間はお家での歯磨きを丁寧に行い、歯石になる前の段階(歯垢)で食い止められるように自宅でのケアを頑張りましょう。
Q.歯石とりのあと、
歯が冷たいものでしみます。
どうしてでしょうか?
A.歯石を取った後、歯がしみることがあります。それは歯石を取ることで歯の根っこの部分が露出することで痛みが生じるからです。
今まで歯石の付着によって隠れていた歯の根っこの部分が、歯石を取ることで露出し、外部からの刺激が歯の中の神経に伝わりやすい状態になってしまいます。基本的には一時的な症状ですので多くは自然におさまる事がほとんどですのでご安心ください。
ただし中には長期間にわたり付着していた大きな歯石を除去した際に、大きな根の露出を伴うことがあります。その場合には通常より知覚過敏のような症状が続く可能性がございますので、なかなか症状がおさまらない場合には医師にご相談ください。
Q.PMTCは痛いですか?
A.PMTCを行う上で痛みが出ることはありません。
PMTCとは口臭や歯周病の原因となる歯垢やバイオフイルム、着色などをプロの手によって専用の道具を用いて取り除くことをいいます。歯や歯肉を傷つけないように専用の柔らかいゴム製のカップやチップを使用し、丁寧に歯面の汚れを落としますので歯や歯肉に対して強い刺激が加わることもありません。患者さまの中にはマッサージのような感覚で「気持ちがいい」と感じられる方も多いようです。ただし知覚過敏症の方は注意が必要です。通常では痛みを感じないPMTCも象牙質知覚過敏症の方はしみたりお痛みを感じられる方もいます。
※お口の中の状態や事前に行う問診からも判断し、PMTCが可能かどうかを診査した上でケアを行います。
Q.歯石とりは1日で完了しますか?
A.お口の状態や歯石の付着状況によって異なります。
歯石除去=クリーニングと考えがちですが、それだけではありません。歯石の除去はお口の健康状態を獲得するために必要な歯周病治療の一つです。
レントゲンや歯周組織検査の数値等を考慮したうえで、決定した治療方針、回数や治療期間を設けるため簡単には治療の方針を変更することは難しいかと思われます。ただどういった場合に歯石除去の回数がかかるかというと、例えば歯周病が進行し、歯茎の下に歯石がついてしまっている場合、部分的に分けてお掃除が必要となることが多いです。また歯茎より上にある歯石については、定期的に検診に通われており、歯石取りも定期的にされているのであればその日中に終了することもあります。
しかし歯科医院がお久しぶりで、歯石が硬く付着している、もしくは沢山 歯石が付着している場合には日を分ける可能性もあります。そのためなるべく歯石取りを1回で済ませたいという ご希望でしたら、定期的に検診に通い 歯石の除去を行うことが大切かと思います。そうすることで歯石の付着が少なくなり、1回の検診で歯石取りが終わるようなお口の環境に近づくと思います。
Q.毎日の歯磨きだけでは虫歯は
予防できないのでしょうか?
A.歯磨きは虫歯を予防する上でとても重要な項目であると言えます。
しかし中にはブラッシングが不十分な方でも虫歯にならない人がいるのも事実です。つまり必ずしも毎日歯磨きをきちんと行っていたとしても、その他の理由によって、虫歯になってしまう可能性はあるということです。
※毎日の歯磨きは非常に大切です!虫歯になりにくいからといって、歯磨きをおろそかにして良いというわけではありませんのでご注意ください。
歯磨きをしっかりとしているのに虫歯になる…考えられる理由は以下の通りです
- 食生活の問題(お菓子のだらだら食べ)
- 虫歯菌の存在(ミュータンスレンサ球菌などの虫歯菌の存在)
- 唾液の量や性質(唾液の分泌量が少ない/緩衝能力が低い)
- 歯の質(エナメル質形成不全)
このようにブラッシング以外にも様々な理由で虫歯になってしまうことがあります。
自分はしっかりと歯磨きができていると思っていても、歯科医院の定期検診は受けるようにし、虫歯がないかどうかのチェックは必要です。定期的に検診を受けることで虫歯・歯周病の予防にも繋がりますし、早期に発見した場合は最小限の治療で済みます。お口の健康のためにも日々の自宅でのケアと定期検診は必ず行くようにしましょう。
Q.歯ブラシの毛先の硬さは
どんなものがいいでしょうか?
A.歯ブラシの毛先の硬さはお口の中の状態や歯茎によっても変わってきます。
まず歯ブラシには大きく分けて3つの硬さの種類があるかと思います。
①柔らかめ②普通③硬め
それぞれに特徴があり、使用目的も変わります。
①柔らかめ
- 歯や歯茎を傷つけにくい
- 歯周病の方におすすめ
- ブラッシング圧が強いと指摘された方
- 汚れを落とす効果は少し低いため、丁寧なブラッシングがポイント
②普通
- 適度な硬さ、多くの人にご使用いただける(小児~成人)
- 汚れも落としやすく、歯茎を傷つけることも少ない
③硬め
- 汚れを落とす力が一番高い
- 歯の毛先が開きにくい
- 毛先が硬いため、磨き方を誤ると歯茎を傷つける
このようにそれぞれに特徴があります。
毛先の硬さ以外にもヘッド(歯ブラシの頭部分)やグリップ(持ち手部分)にも違いがあります。ご自身に合った歯ブラシを見つけたいという方は、ぜひ衛生士に聞いてみてください。お口の状態に合った歯ブラシをお勧めしてくれると思います。
Q.フロスが上手に使えません。
コツはありますか?
A.歯と歯の間の汚れを落とす上で、フロスや歯間ブラシの使用はとても大切です。
歯ブラシだけでは、お口の中の汚れは6割ほどしか落ちていないと言われています。そのため是非ともフロスは毎日のケアに取り入れてほしいケアグッズです。しかしながらフロスはよく患者さまからも使い方が難しいとのお声をいただきます。
何点かフロスを使用する上でのポイントをご紹介します。
ロールタイプのフロスの場合
- ポイント①:正しい長さで使用する。短すぎると使いづらいです(約40cm 手から肘までの長さ)
- ポイント②:中指に巻き付け、人差し指で挿入する(糸の長さは1−2cm)
- ポイント③:歯と歯の間に挿入する場合は、横に動かしながら入れる(ノコギリのように)
- ポイント④:手前の歯と奥の歯の両方の面に当てるようにする(しっかり汚れを取る)
- ポイント⑤:取り出す際もノコギリのように横に動かしながら(外れない場合はもう一度挿入し、片方の手を離し横から抜き取りましょう)
ロールタイプのフロスは初めは使い方が難しいですが、慣れてしまえばスムーズに行うことができます。イメージがつきにくい場合には動画で確認する、衛生士に使い方を確認すると良いでしょう。またどうしてもロールタイプの使用が難しい場合には持ち手のついたフロスもありますので、そちらを試してみることもいい手段だと思います。
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